
IELTSのライティングは、数ある英語資格試験の中でも1,2を争うほど難関と言われています。そして4技能の中でも最もスコアを伸ばすのが最も困難かつ時間を要することから、実際に多くの受験者がライティングセクションに足を引っ張られて複数回の受験を強いられています。ここではその理由と、どういった形で学習に取り組めばよいか、という対策法を一緒に見ていきたいと思います。
1. 平均的なスコアは?
ライティングのスコアは世界的に見ても非常に低い、という統計が出ています。以下は公式に公表されている世界のスコア平均です(2019年版, アカデミック・モジュール)。いくつかの国を抜粋し日本と比較しながら見ていきましょう。
国名 | Reading | Listening | Writing | Speaking |
日本 | 6.1 | 5.9 | 5.5 | 5.5 |
韓国 | 6.9 | 7.1 | 6.0 | 6.3 |
ベトナム | 6.3 | 6.2 | 5.7 | 5.7 |
イタリア | 7.3 | 7.0 | 5.9 | 6.6 |
フランス | 7.1 | 7.0 | 5.9 | 6.6 |
ドイツ | 7.7 | 7.9 | 6.3 | 7.4 |
この表からもわかる通り、他のセクションに較べてライティングのスコアがどの国も低いことがおわかりいただけると思います。下のヨーロッパ圏3カ国は全体的にハイスコアですが、ライティングは他国と大きな差が見られません。この表からわかることは、他のセクションよりも体系的かつ戦略的な対策が必要である、ということです。つまり、がむしゃらに学習するのではなく、IELTSのライティングでハイスコアを取るための要素を理解し、効率的に対策をすることが鍵をにぎるということです。
2. どんな学習をすればいいの?

1で述べたように、効率的な学習が目標スコアを最短最速で達成するためのポイントということをお話ししました。では効率的な学習法を具体的に見ていきましょう。まず前提としてやってはいけない学習法をお伝えします。それは「エッセイをひたすら書きまくる」ということです。これはスポーツと同じで、例えばテニスを上達させたいとします。この場合、ラケットを逆に握ってスイングの練習をしていては、1万回、10万回振っても上手くなりませんね。同様に、東京から北海道に行きたい場合、北に向かわずにずっと西に向かっていても到着しませんね。つまり、最初に正しい方法と知識を身に付けて対策を始めることがすべてです。つまり
の2つの要素がそろって初めて効果が出る、ということが言えます。
ではこの正しい方法とは何かを考えていきます。それは次の3点です。
1. IELTSの評価基準に沿った対策をする
どういった観点からエッセイが採点されるか、という点を把握することが大切です。ライティングでは4つの観点からスコアリングが行われますが、ここに書かれている重要項目に焦点を絞った学習が重要になってきます。
2. 出題頻度の高い問題に的を絞る
他の資格試験ではなく、IELTSで出題される分野とトピックを厳選して取り組むことが重要です。例えば「政治」、「死」、「戦争」といった英検で出題されるようなトピックは出題されません。また、Task 1で求められるグラフ描写特有の書き方と表現もしっかりと身に付ける必要性もあります。
3. 添削を受ける
自学自習には限界があり、特にハイスコアを目指す場合は我流でやってしまうと時間と受験料を浪費しがちです。よってIELTSに精通した専門家から添削を受けるのが効率的なアプローチです。
3. どんな知識やスキルが必要なの??

IELTSのライティングは「セミアカデミックライティング」と言えます。つまり、英米圏の大学(院)で求められるほどの厳格さはないが、英検やTOEFLよりも少し厳しいルールがあり、一定のアカデミックスキルも必要ということです。例えば次の表現をご覧ください。
これらの語彙はライティングで使用してはいけません。なぜならすべて話し言葉だからです。つまり、話し言葉と書き言葉を区別してエッセイを書くことがIELTSのライティングで必要なスキルの一つです。他にもこういったライティングにおける必須のスキルや知識が多くあり、それらをしっかりと理解し運用する力が求められます。
4. スコア達成に必要な時間と学習量は??

これはよくいただく質問ですが、回答としては「現在のスコアと目標スコアによる」となります。これまでの指導経験で言うと、数ヵ月で達成される方もいれば、2年以上をかけてIELTS学習を続けられる方もいらっしゃいます。1年は平均的だと思っておいてください。次の表をご覧ください。

これは各スコアごとの距離を表した軸です。では5.0⇒5.5と、6.5⇒7.0を比較してみると、0.5スコアを挙げるのは同じですが、距離が4倍ほど違いますね。また、5.5⇒6.0を3ヶ月で達成したとしたら、6.0⇒6.5は半年前後かかるということです。ただしここで重要なポイントが1つあります。それは「スコアを安定させること」です。出願先の大学(院)により、例えば「すべてのセクションで6.5」のような規定があります。この場合1つでも6.0があると、受け付けない、あるいは指定の準備コースに入る必要が出てきます(条件付き合格)。このことから、まぐれでスコアをねらうのではなく、目標スコアを安定して取れる実力をつけて受験をすることが重要になります。
IELTSのライティングで重要な4つのポイントはご理解いただけましたでしょうか?これらの項目は1部でしかないため、さらに多くの知識やスキルが必要になってきます。本講座ではこれらの要素に加え、最短最速で効率よくスコアを達成するエッセンスを詰め込みました。特に
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